今年J.JUAN社は創立60周年を迎えます。これを記念し、J.Juanは1年を通じてさまざまな活動やイベントを企画。この記念すべき年を祝うとともに、モーターサイクル業界における絶え間ない革新の歴史を振り返ります。
オートバイと自転車のケーブル(アクセル、ブレーキ、クラッチ)の製造・販売で業界をリードする企業として創業したJ.Juanは、現在もブレーキ、クラッチ、サスペンション用の油圧チューブの製造におけるパイオニアであり続けています。毎年世界中で140万台以上のオートバイにJ.Juanの製品が搭載されており、90以上のブランドの公式サプライヤーとなっています。創業から60年という大きな節目にあたる今年、J.Juanはこの記念すべき年を祝うためのさまざまな活動や取り組みを企画しています。
1947年に始まった伝説
1947年、ホセ・ホアン(Jose Juan )は当時最も一般的な交通手段であった自転車のスペアパーツの必要性があることに気づきました。その観察力と洞察力でスペア部品の不足とニーズを察知したホセ・ホアン(Jose Juan )は、シンプルなパーツながら自転車に乗る人の安全を確保する上で必要不可欠なブレーキケーブルの改良を手がけることを決意します。こうして、小さな革新的なスペアパーツの製造から始まったホセ・ホアン(Jose Juan )の工房は、バルセロナ市内に点在する小さな店舗となり、すぐにメーカーや部品販売業者の信頼を獲得していくようになりました。
1965年になってようやく、J.JUAN S.A.という社名で企業として設立。当時すでに著名になっていたオートバイブランドであるモンテサ(Montesa)、サングラス(Sanglas)、オッサ(Ossa)、ブルタコ(Bultaco)、デルビ(Derbi)などが集まっている、スペイン国内でのオートバイ産業の中心地だったエスプルガス (Esplugues) に、会社の拠点を置きました。当時のJ.Juanは、すでに自転車とオートバイの両分野でリーダー的存在として名を知られており、アンヘル・ニエト(Ángel Nieto)、サンティアゴ・エレロス (Santiago Herreros)、リカルド・トルモ (Ricardo Tormo)、ホルヘ・マルティネス・アスパール (Jorge Martínez Aspar)などの伝説的なライダーたちにJ.Juanのシステム装備を提供していました。
60年後の今日、J.Juanが売上高1億ユーロを超える大企業となり、常に市場動向の一歩先を行くブランドへと成長してきたのは、ひとえに「常にトレンドを先取りしていく」というビジョンを持ち続けたおかげです。
時代の変化への適応と国際的成長
1980年代初頭、スペインのオートバイ産業界が、日本のメーカー、ブランド、市場へとアプローチし、門を拡大し、スペイン国内メーカーが日本企業と提携し始めた際、J.Juanはその適応能力を発揮しました。他の競合企業が新しい高品質システムを理解しようと苦心する中、J.Juanは早くもそのエッセンスやシステムを理解し、完成させていきました。スペインの産業は新興産業と考えられていた時代ですが、J.Juanはすでにフランスやイタリアといった、より要求の厳しい市場への参入に成功し、国内需要を超えたグローバルな視野と市場経験を持っていたおかげで、国際舞台における存在感を確固たるものにすることができたのです。
油圧ブレーキの革新
1990年代、J.Juanは牽引ケーブルを不要とするディスクブレーキの台頭を予測。 研究開発チームは安全性を損なうことなく性能を向上させるソリューションを集中的に研究し、メッシュ状の油圧チューブを開発しました。 この技術革新により、油圧圧力を失うことなく、極度の高温下でもポンプからキャリパーに効率的かつ正確に制動力を伝達することが可能になりました。
J.Juanは、その後もブレーキシステムの改良を続け、メッシュチューブと硬質ホースを接続し、高圧に耐えるシステムを開発しました。これにより油圧システムの効率がさらに向上し、この画期的な進歩は、オートバイへの ABS の統合に不可欠なものでした。
絶え間ない革新:現在と未来
この60年間、J.Juanは常に革新的な精神を維持し、市場に新しい風を吹き込むシステムを模索し続けてきました。油圧式チューブ市場が成熟し、安定しているように見える現在でも、ブレンボの知識とノウハウに支えられ、さらに進化を続けています。 BMWがすでにR1300 GSモデルに採用しているセミオートマチッククラッチ、MotoGP(2024年MotoGPのMoto2 クラスで世界チャンピオンライダーとなった小椋藍氏)やスーパーバイク(WorldSBKの新しいBbKRTプロジェクトとのコラボレーション)のライダーが最高レベルで競い合えるレース用油圧システムの開発など、革新的な製品を供給し続けています。
J.Juanは、オートバイに装備するだけでなく、その技術をアストンマーティンやマクラーレンなどの高級車、さらにはサイドバイサイドビークルにも展開しています。過去6年間ダカールラリーのサイドバイサイドカテゴリーで優勝するなど、数々の実績をあげており、J.Juanの油圧サスペンションシステムは卓越した性能を発揮しています。
未来を見据えて
過去60年の歴史において直面してきた危機的な状況や市場への脅威を、改善と成長の機会と受け止め、 より良いサービスの提供へと変容させてきました。J.Juanはバルセロナ(スペイン)の生産工場と本社、嘉興(中国)での生産工場、およびミルウォーキー(米国)、東京(日本)、プネ(インド)にオフィスと一体となり、未来を見据えながら、さらなる前進への姿勢を保ち続けています。
J.Juanの革新は止まることがありません。現在、650人以上の従業員を擁し、将来のオートバイやバギーのモデルに違いをもたらす先進技術の開発を続けています。その中にはブレンボ( Brembo) やバイブレ (ByBre) のブレーキシステムに組み込まれるものもあります。こうした継続的な革新により、J.Juanはヨーロッパ、北米、アジアでいくつかの賞を受賞しています。これらの名誉ある賞の数々は、J.Juanの油圧チューブを自社製品に組み込んでいるメーカーの満足度を反映したものです。
60周年を祝う新しいロゴ
60周年という記念すべき年を祝うために、特別にデザインされた記念ロゴが作成されました。 J.Juan の60年間にわたる歴史を共に歩んできたバイクがモチーフになっています。
エンジニアリングへの情熱と継続的な改善を主な原動力として、私たち J.Juan の歴史はまだまだ続きます。






