JJUAN社は1947年、自転車ケーブルを製造する工房としてスタートし、 それから年月を経て製品を多様化させ事業も拡大、今や油圧式チューブをはじめとするオートバイ用ブレーキシステムを生産するメーカーとして、世界的リーダーの役目を担う存在となりました。 そして今、AMBE(スペイン自転車メーカー協会)の一員として自転車産業分野への参画。 今日は、JJUAN社グループの CEO であるJose Luis Juan Verdejo ホセ・ルイス・ホアン・ベルデホ氏にお話を伺います。

AMBE : JJUAN社は何をオファーしている会社ですか?

Jose Luis Juan Verdejo(以下 J.Juan): 私たちJJUAN社は1965年に有限会社として設立しました。会社として設立する以前の1947年から自転車のケーブルを製造しはじめ、Amat アマット, Masferrer マスフェレール y Castells カステルズなどといった、スペイン国内の自転車メーカーに製品を供給してきました。
自転車のケーブル生産活動が二輪車部門にも拡大し、ケーブルを航空機などに使う強化油圧ブレーキチューブの製造で補完することで、企業活動を多様化しました。現在この分野では私たちが世界のリーダーとなっています。 今から15年前、オートバイのブレーキシステム(キャリパーとポンプ)の開発を開始し、私たちはさらに企業活動分野を拡大してきました。 今日、J.JUAN社はすべてのオフロードおよびオンロード業界にブレーキシステムを供給する、ヨーロッパでは2番目に大きなブレーキ製品製造メーカーおよびサプライヤーとなっています。
現在供給できる製品としては、ガスケーブル、クラッチケーブル、油圧ブレーキシステム、機械式ブレーキシステムから成る「総合安全システム」も提供しています。

事業内容全体の97%が世界のバイクメーカーのOEM生産を担っており、3%がスペアパーツとアクセサリーなどの供給をしているという割合になっています。

AMBE : なぜAMBEに加盟したのでしょう?また、JJUAN社として今後のスペインの自転車業界の展望について教えてください。

J.Juan : ここ数年、私たちは自転車業界での生産活動を積極的に行っていきたいと考えてきました。 私たちが、ダイナミックな技術の革新と発展を遂げてきたオートバイ業界で培ってきた知識と経験を自転車業界で活かすことを考える時期がきたと思ったのです。 企業として、同じ業界への関心と志を共にする集団に属することは好ましいことであり、AMBEは二輪自転車業界のなかでも特に際立った活動を行っている協会です。 私たちが自転車業界で再び活動をしていくためにも、AMBEへの加盟は必然のことと考えてきました。

スペインの自転車業界については、今、さらに活発な活動が行われていると思っっています。 時代の流れは、自転車を有用で、持続可能で、スポーティで、家族的で社会的な手段であることをを再認識させる方向であると思います。 健康志向と環境衛生の普及率と相まって、その成長は指数関数的を遂げることになると思います。 そして今、自転車業界は、自転車の安全性を高めるために最先端の技術を組み込む機会を私たちに提供してくれているのだと捉えています。

ホセ・ルイス・ホアン・ベルデホ JJUAN社グループ CEO

AMBE : 2020年、パンデミックに対して御社はどのように適応しましたか。また、2021年と将来の主な課題について教えてください。

J.Juan : 企業組織レベルでは、非常に厳格な作業プロトコルを確立し、15日間にわたる厳格な事業停止期間を除いて営業をつづけ、スペイン国内の480人の労働者と、中国内にいる140人の労働者の間で問題なく活動を継続できるようにしました。 今日これらのプロトコルは、緩和されながらも維持されています。HSE委員会は毎週、労働者と企業の健全な企業活動を分析、企業活動を順調に進めるために私たちが従わなければならない手順を示しています。
経営数値の側面おいては、今年は並外れて忙しい年でした。 悲惨な状況だった第2四半期にもかかわらず、その後6か月間で通常の9か月の生産活動と同じだけの生産売上高を計上しました。
2021年も引き続き2桁の成長を遂げていますが、ビジネスリスクを最小限に抑えるために活動を多様化できる新しい市場セグメントに取り組むことが課題となっています。 そして新しい取り組みの課題の一つとなるのが、自転車業界における電動自転車へと一般的な自転車へのブレーキの概念、製品の混乱です。
自転車業界における将来は楽観的であり、脱グローバル化が進む世界で大きな可能性を秘めています。いずれにしても、JJUAN社の「クライアントに寄り添う」という精神により、私たちは多数の国々に対して、最善のソリューションを提供することができると思っています。